简介:第20回ATP賞2003総務大臣特別賞受賞作品。第20回ATP賞2003優秀賞受賞作品。1969年、世界中がアポロ11号の月面着陸のニュースで沸いていた夏。小学5年生の猪熊あかね(田島有魅香)にとって待ちに待った夏休みが始まった。何と言っても大好きな本を真っ昼間から読むことができるのだ。宿題なんてやっていられない。 あかねの父・鉄幹(杉本哲太)は日本画家だが、絵を描いていても売れず生活できないので、イラストを書いたりして何とか家族を養っている。そんな鉄幹は実は新しいモノが大好き。新製品が発売されると居ても立ってもいられなくなり、衝動買いしてしまう。そんな鉄幹にブツブツ文句を言いながらも何故か母の鈴子(天海祐希)も楽しそう。5歳になる弟の小太郎(松田昂大)はマイペースでのんびり屋。貧しいけれども明るく楽しい猪熊家の日常だ。あかねの一番の悩みは、本を好きなだけ買って読むことが出来ない事。いつもお小遣いを前借りしては何とかやりくりしている。そんなあかねにとっての良い知らせは、近くの商店街に貸し本屋が出来た事。貸し本屋さんの茂(窪塚洋介)は大学生で、何でも良く知っていて、あかねはそんな茂に淡い恋心を抱く。憧れの茂のところで本を借りるのがあかねの夏休みの日課になる。 その頃、猪熊家にも事件が起きていた。銀座の有名画廊の店主・犬伏恵子(高橋ひとみ)が、鉄幹に絵を描いて欲しいと依頼してきたのだ。画廊で個展が開ける才能だと鉄幹を褒めちぎる恵子。鉄幹はすっかりその気になって有頂天。最初は疑心暗鬼だった鈴子も夢が叶うかもしれないと鉄幹に協力をするが、そんな夢見心地も束の間、鈴子が鉄幹のシャツの襟に付いた口紅を見つけてしまう。そして、画廊を訪れた鈴子が目撃したものは!?あかねにもショックな出来事が起こる。茂がしばらく実家に帰ることになったのだ。描きかけの似顔絵を残して茂は行ってしまう…。